親の狂気か、子の才能か。
「才能なんて一度も言われたことはないし、そんなものは、ここにはない。」
リフトの上で震える小さな足。
氷点下のピークで泣き叫ぶ娘を、冷徹に突き放す私の視線。
そこにあるのは「将来有望な親子」の姿ではなく、ただのエゴのぶつかり合いだ。
インスタの15秒に切り取られた、それっぽい瞬間の裏側。
そこには、誰に褒められるわけでもない、報われる保証すらない「異常な執着」だけが澱(おり)のように溜まっている。
成功の予感よりも、敗北の苦みと、次の一本にすべてを賭ける泥臭い執念。
この、誰にも理解されない「負」の質感こそが、私たちが直視し続ける唯一の現実だ。
狂気と呼びたければ、勝手に呼べばいい。
その果てにしか見えない景色を、私たちはもう、知ってしまったから。
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リアリティー
